Archives

You are currently viewing archive for November 2009

[Book] 30 November 2009 はてなブックマーク - 「差別と日本人」読了 Twitterでつぶやく

「差別と日本人」読了


野中広務と辛淑玉が「部落とは、在日とは、なぜ差別は続くのか?」をテーマに対談をしている。
一方的な被害者の視点や誰が悪いのかというような形ではなく、近代日本においての現象として、構造としての差別に焦点を当てつつ彼らの実体験を重ねており素直に読める内容である。
どのような構造で差別というものが生み出されていくのか、そしてそれがどのような結果をもたらしたのか、対談者はそれらにどのように携わってきたのかという視点であり差別が連鎖していくメカニズムをとてもわかりやすく説明している。

▽ 感想として
TwitterやTumblr、ブログや2ch、またはそのまとめサイトを見ているとどうしたって右傾的(というよりむしろレイシズム)な意見を見聞きし、どこかで自分もどこかしらそのような思想を取り込んでしまっているということを実感させられた。
それは例えば、ネットをやってると誰しも目にするような在日朝鮮人、被差別部落への侮蔑の言葉や怪文書(だれそれは在日とか)への無批判な精神的迎合などである。
これは本書の中で辛淑玉が指摘している行為そのものだ、

自分は他者より優位だという感覚は「享楽」そのものであり、一度その享楽を味わうと、何度でも繰り返したくなる。特に人は、自分より強いものから存在価値を否定されたり、劣等感をもたらされたりしたとき、自己の劣等意識を払拭するために、より差別を受けやすい人々を差別することで傷ついた心のバランスをとろうとする。

この構造は、とても良く理解できる。なぜなら、日々鬱憤がたまり自身が苦しんでいる時(例えばブラック企業で疲弊しきっているとき)、真実かどうか自身では確認していない事実に基づいて会ったこともない在日朝鮮人や被差別部落、特定の宗教団体、生活保護と母子加算を受けているどこかの女性、過剰な権利を要求している労務者をシンボルとして叩くのは快感だからだ。
ただのイジメの構造を義憤や公憤、愛国心に置き換えられるので後ろめたさもなくさらに気持ちが良い。
本書は、自分の中にあるそういう下劣な部分を強く認識される一冊であった。
«Prev || 1 || Next»